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抗菌アロマテラピー研究会

抗菌アロマテラピーの歴史

 西洋では古くより,植物精油を用いた皮膚感染症の予防・治療が行われていました。記録に残っているものでは、ローマ帝国の学者ケルススが書いた『De Medicina』の中に、白癬菌の感染で生じる頭の禿げに使っていた塗り薬に「ギンバイカ (マートルMyrtle)」、「ラブダナム (Labdanum)」などの植物抽出液が使われています。ギンバイカは、写真Aのような花をつける植物で、その分類はティートリーと同じくフトモモ科です。その葉は、シネオール、ゲラニオールなどを含み、現在でもマートルの精油としてその消炎作用、抗菌作用がよく知られています。

よく聞かれるのは、「どうして東洋の漢方医学の中に植物精油があまり使われないのですか」という質問です。ひとつの答えは、「漢方の基本である生薬は偽物の鑑別が重要ですが、古代ではオイルの鑑別法がなく、シルクロードの流通経済で扱われなかったため」かもしれません。

ジャン・バルネ博士(Dr.Jean Valnet 1920〜1995)

医師という立場で精油(エッセンシャルオイル)を医療現場に始めて本格的に導入した、フランスの軍医。フランスから持ち込んだラベンダーや、オーストラリアから送られたティートリー等の精油を負傷兵に対して使用した。1964年に『aromatherapie』(邦題「ジャン・バルネ博士の植物・芳香療法」)を著す。

非常に早い段階から、「抗生物質の多用は耐性菌の発生や人間本来の免疫力の低下などの新たな問題を引き起こす」といった抗生物質の負の側面に警鐘を鳴らしており、「差し迫った状況でなければ、使用は極力控えるべき」と訴えている。

アロマテラピーが対象とする疾患には感染と炎症が関与

皮膚疾患
白癬、脂漏性湿疹、ニキビ、ヘルペス、疥癬(かいせん)、肌あれ、虫刺され、乾癬(かんせん)、あかぎれ、熱傷、静脈瘤、妊娠線、皮膚萎縮症、放射線障害


口腔・消化器疾患
食中毒、寄生虫感染、肝炎、歯周病、口内炎、歯痛、胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、腸カタル、消化不良、腹痛、車酔い、吐き気、便秘


呼吸器疾患
風邪、鼻炎、副鼻腔炎、咽頭炎、扁桃腺炎、喉頭炎、気管支炎、肺炎、喘息、アレルギー性鼻炎、気管支拡張症


循環器疾患
高血圧症、低血圧症、冠動脈不全、狭心症、不整脈


泌尿器疾患
膀胱炎、尿道炎、腎炎、前立炎肥大、腎結石、夜尿症


代謝疾患
甲状腺機能亢進症、高脂血症、糖尿病


神経疾患
偏頭痛、パニック障害、うつ病、ノイローゼ、不眠症、認知症(アルツハイマー型認知症)、慢性疲労


性器疾患
膣炎(カンジダ症など)、コンジローム、月経痛、月経異常、更年期障害、インポテンツ


筋肉・骨疾患
関節リウマチ、関節炎、テニスエルボー、スイマーズショルダー、腱鞘炎、坐骨神経痛、肩痛、首痛、足痛、腰痛、打ち身、血腫、捻挫


赤字の疾患:感染・炎症に関わるもの
青字の疾患:炎症・免疫に関わるもの


参考文献:『フランス・アロマテラピー大全』(ロジャ・ジャロア編 高山林太郎訳 フレグランスジャーナル社)