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07.皮膚の常在菌がかもし出す体臭・加齢臭

暖かくなり、さまざまな花が開花する季節は、体臭が気になり出す季節でもあります。私達の皮膚には多種類の細菌や真菌が常にいます(常在菌)。その常在菌は、汗の中のタンパク質や皮脂の脂肪などを分解します。その結果、アミン類や脂肪酸類が産生され、それが体臭・加齢臭の原因となります。

 

脂肪が分解してできる脂肪酸は、炭素の数により、短鎖脂肪酸(炭素数が7以下)、中鎖脂肪酸(炭素数が8~10程度)、長鎖脂肪酸(炭素数が12以上)に分類されたりします(厳密な定義はありません)。炭素数が10あるいは12以上のものを高級脂肪酸と呼ぶこともあります(価値ある高級な脂肪酸というわけではありません!)。短鎖脂肪酸や中鎖脂肪酸は、低分子のため揮発しやすく、不快な臭いがします。不快と感じるのは、腐敗したものの中には脂肪から分解した脂肪酸が多いため、腐敗物を避けるためヒトが獲得した嗅覚遺伝子の知恵だと思われます。

 

実は体臭・加齢臭のもとになる脂肪酸類も、短鎖および中鎖脂肪酸類の仲間です。代表的な体臭・加齢臭には、ジアセチル、酪酸、イソ吉草酸、カプロン酸、ペラルゴン酸、ノネナ-ルなどがありますが、頭皮、口腔、体躯、足などで特徴的な脂肪酸類が発せられています。これは体の部位により常在菌の種類が異なったり、分泌される皮脂の種類が違ったりするためだと思われます。

この不快な臭いがする脂肪酸も、エステル化するとフル-テイ-なよい香りになります。エステル化とは、脂肪酸のカルボキシル基(COOH)とアルコ-ルの水酸基(OH)が縮合反応を起こし、水がとれ、-COO-というエステル結合ができることです。たとえば、酪酸(炭素数4)は汗臭く、獣臭がしますが、酪酸エチルになるとパイナップルの香りになります。イソ吉草酸は蒸れた靴下の臭い・獣臭がしますが、イソ吉草酸エチルになるとリンゴ様の香りになります(図参照)。洗濯物の生乾きの嫌な臭いのもとである中鎖脂肪酸のカプリル酸(炭素数8)やカプリン酸(炭素10)も、エステル化によりフル-テイ-な香りに変化します。実際、果物は完熟すると、エステル化合物を多量に発散しますし、芳醇な日本酒も炭素数が14以下の脂肪酸エステルの宝庫です。

 

ヒトにとって不快な脂肪酸臭も、おそらく何百万年にもわたるヒトと常在菌との共生の結果ですから、少し大目に見るに見てあげる必要があるかもしれません。とはいえ体臭の気になる季節、体を清潔にして、場合によっては消臭剤や芳香剤もよいかもしれません。将来的には皮膚で脂肪酸を直接エステル化する錠剤、貼付剤などができるかもしれません。不快な臭いのおじ様が、貼付剤でフル-テイ-な香りのおじ様に変身です。(by Mashi)