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05.香り分子はなぜ香る?

香りの分子はなぜ香るのでしょうか?

地球にはおよそ200万種類もの化合物があると考えられ、その中の5分の1、約40万種類が匂い(香り、臭い)を有すると推定されています。しかし、化合物自体が物理化学的な特性として匂いを有しているわけではなく、鼻腔奥にある嗅上皮の嗅覚受容体が特定の物質と結合し、生じた電気刺激を脳が「香り(匂い)」としてとらえているだけです。

 

すなわち香り分子となるには、嗅覚受容体に結合する性質が必須です。

 

もうひとつの条件は、揮発性物質でありかつ水に溶ける性質をもつことです。

 

香り分子は空気中を漂い鼻腔に到達しなくてはいけませんから、揮発性物質である必要があります。一方、鼻の中の嗅覚受容体がある嗅上皮は粘膜に覆われており、香り分子はその粘膜(水溶液)に溶けて初めて嗅覚受容体に結合できます。通常、揮発性物質は脂溶性の性質が強いですが、水に溶ける性質もないと香りとして認識されません。植物精油(エッセンシャルオイル)も脂溶性の揮発性物質ですが、実は水に溶ける性質も少しあるため、香りを楽しむアロマとして使えるのです。

 

物質は親水性(水に溶けやすい)あるいは疎水性(油に溶けやすい)の性質をもつため、その性質を「オクタノ-ル」と「水」に対する溶解性から、油水分配係数として表すことができます。これは、近年国際的な測定方法が定められており、化学物質等を規制する各種法律でも用いられています。

 

油水分配係数が1より大きいと、油類に溶けやすい脂溶性(疎水性)物質であり、揮発性も示すことから香り分子の候補となります。たとえば、分配係数4.0の快い芳香を示す「安息香酸ベンジル」は、水よりもオクタノ-ルに1万倍溶けやすく水に難溶ですが、わずかながら水にも溶けるので私達は芳香として感じることができます。

 

このようにヒトが香りを楽しむ「香り分子」であるためには、「揮発性物質」でありかつ「水に溶けること」、さらに「嗅覚受容体に結合する性質」という3つの条件が必要です。(by Mashi)

参考文献:OECD Guideline for the testing of chemicals 117, Partition Coefficient (n-octanol/water),High Performance Liquid Chromatography(HPLC) method (2004)