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04.3人に1人が嗅盲(きゅうもう)?

香りを感じられない嗅覚障害は、鼻の病気、脳血管障害や頭部外傷、認知症などによって引き起こされます。しかし、このような嗅覚の病的な状態の人ではなく、普通の「健常人」でも、誰もが知らずに何らかの香りを感じられない「特異的無嗅覚症(嗅盲:きゅうもう)」のことが多々あります。

 

ヒトの香りの感じ方は、鋭敏なヒトから鈍感な人までさまざまです。感知できるにおい物質の濃度差が大きい、つまり健常人での個人差がとても大きいのです。そして数%のヒトは、高濃度のにおい物質にも鈍感な健常人、いわゆる「嗅盲」状態のヒトです。このように特定のにおいを感じない(感度が低い)人を、「特異的無嗅覚症」あるいは「部分的嗅覚脱失」といいます。あるにおい物質に対して嗅盲でも、ほかのにおい物質に対しては正常です。

 

健常人で嗅盲が一番多いのは「イソブチルアルデヒド」(チョコなどの甘酸っぱいコゲ臭)で約36%の人、つまり3人に1人は嗅盲です! ワキの下の不快臭である「3—メチル-2-ヘキセン酸」では約15%、やはり不快臭である「トリメチルアミン」や「イソ吉草酸」では約6%、すなわち約15人に1人がこれらを不快臭として感じられない(あるいはかなり高濃度にならないと分からない)ということになります。

 

キリン食生活文化研究所の報告によると、嗅盲の割合は、バナナなどの香りである「酢酸イソアミル」では1.4%、加齢臭の「2-ノネナ-ル」は3.5%、糞便臭の「スカト-ル」は3.0%だそうです。おそらくさまざまな匂い、香り物質に対しても、約1%から数%の健常人が嗅盲だと推定されます。そう誰もが知らずに、自覚せずに何らかの匂いに対して嗅盲 (特異的無嗅覚症)の可能性があります。

 

このようなことが起こる原因のひとつは、香り物質をキャッチする嗅覚受容体が、各個人により質的、量的に異なるからです。嗅覚遺伝子の変異で、においの感じ方が違ってくることもすでに紹介しました(アロマサイエンス2 香りの好き嫌いが生まれるわけ)。

 

私達の体は想像以上に各人で異なっています。アロマセラピ-もヒトの個人差をいろいろ考えて行うのが大切なようです。(by Mashi)

参考文献: Amoore J.E. et al., :A graphic history of specific anosmia. Chemical Senses:Volume 3-Genetics of Perception and Communication. New York Marcel-Dekker, pp331-351(1991)