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03.好きな香りも強くなると不快に?

ほのかにかおる香水やオ-デコロン、夜道にそこはかとなく漂う花の香り、洗濯物の優しいアロマの香り……。これらの心地よい香りも強すぎるとかえって不快になることがありますね。

 

これはどうしてでしょうか?

 

考えてみると、心地よい五感への刺激も、強すぎると全て不快になりますね。大きな音、強い光、強い圧力、濃すぎる味、そしてきつい香り……。強い刺激は、脳への過剰な電気信号となり不快感をもたらします。

 

香り分子をキャッチする嗅覚受容体(においセンサー)からも、おもしろいことが知られています。香り分子の濃度が高くなると、本来の嗅覚受容体だけではなく、別の複数の嗅覚受容体にも香り分子が結合するため、刺激の電気信号の状況が変わってしまうと考えられています。

 

類似の現象は、線虫を用いたシンプルな実験系でも解析されています。線虫は「イソアミルアルコール」という物質のにおいが好きで、それに近づいていくのですが、イソアミルアルコールの濃度が濃すぎると逆に嫌がって遠ざかる忌避行動を起こします。さらに、イソアミルアルコールに反応する線虫の神経は、イソアミルアルコ-ルの濃度が薄い場合と濃い場合とでは違うことも分かりました。

 

私達の身近でもいろいろな例があります。たとえば「スカト-ル」。スカト-ルはいわゆる糞便臭で不快に感じますが、実は濃度を下げていくと芳醇な花の香りとして私達は感じます。したがって、スカト-ルは香水や香料、タバコなどにも広く使われています。

 

私達の嗅覚は、素晴らしいかぎわけ術を発揮するのですね。(by Mashi)

 

参考文献:Yoshida K., Hirotsu T., Tagawa T, Oda S., Wakabayashi T., Iino Y, and Ishihara T, Nature Communications, 3, 739, 2012