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02.香りの好き嫌いが生まれるわけ

ある人が大好きな香りも、人によっては嫌いということがあります。これはどうして起こるのでしょうか?

 

さまざまな要因(たとえば香りの強弱、香りの経験・記憶)が考えられますが、香り分子を受け取る嗅覚受容体からは、ふたつの原因が考えられます。

 

ひとつは、およそ400種類ある嗅覚受容体の数と分布が人により異なるからです。

 

たとえば、A嗅覚受容体が多くB嗅覚受容体が少ない(あるいは無い)人、反対にA嗅覚受容体が少なく(あるいは無く)B嗅覚受容体が多い人、AもBも少ない人、AもBも多い人では、同じ香り分子がきても、香り刺激の電気信号は4人でそれぞれ異なるからです。

 

もうひとつの原因は、同じ嗅覚受容体でも人によりその構造(鍵穴の形)が少し異なる場合があるからです。

 

嗅覚受容体はタンパク質ですから、アミノ酸がつながってできています。このアミノ酸の種類や配列は遺伝子(DNA)で規定されています。ですから、遺伝子に変異があると異なったアミノ酸配列になり、できあがるタンパク質(嗅覚受容体)の構造が少し変わってしまいます。そうすると香り分子の結合状況が少し変わり、人により香りの感じ方が違ってしまいます。

 

たとえば、ステロイド系の化合物である「アンドロステノン」に対して花のような甘い香りだと感じる人、汗臭い不快なにおいと感じる人、そして香りを感じない人がいます。これらの違いは、ある嗅覚受容体遺伝子の特定の場所に1カ所変異があるためアミノ酸配列に違いが生じ、その結果、嗅覚受容体の立体構造が変化し、嗅覚の違いが引き起こされています。

 

このような遺伝子の小さな違いは、実は嗅覚以外でもよくある現象であり、さまざまな個人差を引き起こすもとになっています。この個人差、遺伝子の多型は、行動や生活様式の変化や多様性を生み出し、ヒトの種としての生存原理に大きく寄与してきたと想像されます。(by Mashi)

 

*参考文献:Keller et al., Genetic variation in a human odorant receptor alters odour perception, Nature ,449, 468 (2007).